オバマ氏の選挙事務所において4年間、白人・ヒスパニック系・アフリカ系・アジア系といった文化的多様性に富んだ草の根運動員と関係を築いてきた著者。 事務所の幹部が運動員の多様性をどのように活用して、票の獲得につなげているかを直に観察し、オバマ大統領に対する有権者の意識の変化を調査し、比較した。 異文化フィールドワークを通じて得た調査結果をベースにして、戸別訪問や集会での有権者の声、オバマ大統領の草の根運動の組織「オーガナイジング・フォー・アメリカ(OFA)」でのボランティア活動、反オバマ色の強い保守派のティーパーティー(茶会)主催の2日間のセミナーでの体験、ティーパーティーに支援された候補者と戦ったジェリー・コノリー下院議員の草の根運動への参加、オバマ政権下で一段と進む米国社会の分断を憂慮する草の根運動員の活動の話など、内から見た米中間選挙・米国社会における分断と対立について、異文化的視点から述べる。 前回の中間選挙で話題を呼んだティーパーティー運動とオバマ草の根運動とを比べ整理し、両者の相違を明確にした。オバマ大統領と同じ与党民主党のコノリー下院議員、彼のスタッフ並びに草の根運動員の選挙期間中の心理状態にも迫る。
第1章 若者層の不参加 第2章 オバマ草の根運動の強みと弱み 第3章 ティーパーティー(茶会)の実態 第4章 ジェリー・コノリー下院議員(民主党・バージニア州第11選挙区)の苦闘 第5章 分断した米国社会を憂慮する草の根運動員
明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント研究所客員研究員(2008〜2010)。全てのトヨタ公聴会を傍聴。米国アリゾナ州で米軍を対象に講義(2010〜)。2010年米中間選挙において、ジェリー・コノリー下院議員(民主党・バージニア州第11選挙区)の草の根運動に参加。 同時に、オバマ大統領の草の根運動の本部「オーガナイジング・フォー・アメリカ(OFA)」でボランティアとして活動。2008年米大統領選挙では、激戦州バージニア州でオバマ草の根運動員として、戸別訪問を実施。
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