スピンオフとは「勤務先企業など母体組織からメンバーの技術者が自発的に飛び出して創業する行為」であり、スピンオフ・ベンチャーとは「技術者がスピンオフして創業した研究開発型企業」である。スピンオフ・ベンチャーは、日本の流動性の低い知識労働者市場といったマクロ的な課題のほか、プロダクト・イノベーションの実現に必要な製品開発力の獲得と、親元の母体組織とのWin-Win関係の構築といった固有の課題を抱えている。本書では、このようなスピンオフ・ベンチャーが日本の特定地域で連続的・集中的・持続的に創出される条件、新しい産業集積におけるスピンオフ連鎖の形成メカニズムを明らかにする。 【平成24年度中小企業研究奨励賞・経済部門本賞選定】
序章 新しい産業集積の形成とスピンオフ・ベンチャーの創出に関する日本発の理論的・実証的な研究をめざして 第1章 新しい産業集積とスピンオフ・ベンチャーに関する先行研究レビュー 第2章 スピンオフ企業家の学習コミュニティに関する先行研究レビュー 第3章 事例研究にあたって 第4章 浜松地域のソフトウェア集積とスピンオフ連鎖の実態 第5章 札幌地域のソフトウェア集積とスピンオフ連鎖の実態 第6章 浜松地域の光電子集積とスピンオフ連鎖の実態 第7章 3つの事例の比較分析 第8章 発見事実の整理とインプリケーション
駒澤大学経済学部准教授。
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