本書の大きな特徴は、流通論として確保すべき不変的な部分は保持しつつも、近年の日本の流通を大きく規定する価格破壊現象、流通の国際化、流通規制緩和、「新たな」零細小売業問題の発生などにも光を当て、これを流通弱者、国民本位の立場から解明し、あわせて、中小流通業業者の生き残り策やあるべき流通政策の姿を求めての具体的提言も行っているところにある。なお、本書は『現代流通の解読(三訂版)』(2008年)の改訂版であるが、単なる改訂版の域をはるかに超えてしまっているため、書名も一新している。
第1章 流通,商業,およびマーケティングの概念 第2章 流通およびマーケティングの研究方法 第3章 流通機構の史的形成 第4章 卸売業の概念および分類とその役割 第5章 卸売業における構造・環境変化と生き残り方向 第6章 小売業の概念および分類とその役割 第7章 小売業における主要業態と経営方式 第8章 小売業に進む構造変化と中小小売業の生き残り方向 第9章 大型店問題調整の展開プロセス 第10章 零細小売商業施設の諸問題と存在意義 第11章 メーカーのチャネル戦略 第12章 価格破壊と流通 第13章 流通外貨の日本進出とその影響 第14章 流通政策の体系と小売流通政策 第15章 流通政策の大転換
昭和28年福井県春江町に生まれる。昭和51年早稲田大学商学部卒業。昭和54年早稲田大学大学院商学研究科博士前期課程修了。昭和62年同大学院同研究科博士後期課程修了。現在、明星大学経済学部・大学院経済学研究科教授、中央大学経済学部講師、中央学院大学大学院商学研究科講師、博士(商学)。学会賞:第2回日本商業施設学会賞(平成17年9月)および第9回日本流通学会賞(平成17年10月)受賞
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