介護需要の増加に対応するため2000年に介護保険制度が創設され、営利法人が介護分野に参入できるようになってから15年が経過した。これにより多くの事業所が参入している。一方で少子高齢化を背景に、介護保険財政は逼迫しており、3年ごとに見直される介護報酬も削減傾向にある。また、介護事業においては人材確保不足も深刻である。このように介護事業所をめぐる環境は厳しさを増しつつある。そこで、介護事業所のなかでも事業所数の多い訪問・通所介護事業所が置かれている状況を、日本政策金融公庫が実施した「訪問・通所介護事業に関するアンケート」及び「訪問介護・通所介護に関するアンケート」の結果を中心に分析するとともに、我が国の介護保険制度を整理しながら、訪問・通所介護事業所が今後生き残ってゆくためには何が必要かを明らかにする。
第1章 既存統計から見た訪問・通所介護事業の実態 第2章 訪問・通所介護ビジネスの経営実態 第3章 訪問・通所介護事業の実態 第4章 介護者からみた訪問・通所介護 第5章 訪問・通所介護ビジネスのこれから 第6章 介護現場におけるICTの利活用 第7章 経済連携協定を通じた海外人材の受け入れの可能性
民間金融機関の取り組みを補完し、事業に取り組む方々等を支援する政策金融機関の研究部門。経営者や家族だけで稼働する生業的な企業から株式上場を目前にしたハイテクベンチャー企業まで、さまざまな中小企業を研究対象とし、アンケート調査やヒアリング調査など多くの中小企業をお客さまとする日本公庫ならではのフィールドワークを基礎に、専門性・独自性・先進性に富む研究活動を展開している。
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