温泉がなくても、絶景がなくても、都会じゃなくても「物語」を作れたら、人は集まる! 観光発展途上の地に自ら住み込み、地域資源を見つけ、形にしていった事例を紹介する。特別なことをしなくても地元にすでにあるものを「じっくり見つめる」ことから始めれば、人を魅了する観光資源にすることができます。明日から実践できるように、地域資源のプロデュース方法やプロモーション、企画だし、地元住民を巻き込んだマネジメントまでノウハウを解説します。
はじめに プロセス1 情報収集 観光振興はいまや総力戦 その土地らしさを意識する 昼夜問わずのコミュニケーションが必要な理由 文献に当たる プロセス2 素材を見つけてさらに掘り下げる 「これはすごい、感動した!」 話を聞いたら、その人自身をキャスティングする 「本質」は専門家から探り、本物から学ぶ ネットで検索する重要性 物語化のための民俗学的アプローチ 私にとって魅力的に感じるなぁ、と妄想することの重要性 発掘面のクライマックスは、「名前」をつける プロセス3 ターゲットイメージの想起 求人広告のコピーライティングから学んだこと コンセプトワーク 来訪者を身近なところからイメージする 「BEFORE→AFTER」で考える 障害を一つひとつ取り除く作業 プロセス4 受け入れ態勢の構築 誰とやればうまく行くか? 終わりを決めておくこと 収支をもとに事業計画を立てる 「やらされ感」を持たれたら水の泡 プロセス5 ブラッシュアップ 三大欲求 四大要素 基本の三大スパイス 取材の仕方 仕上げの三大スパイス 3つの哲学的手法の取り入れ方 プロセス6 試行 体験型観光プランの「骨子」と「内容」 試行の仕方 得たいのは「集客力」と「満足度」の手ごたえ プロセス7 集客プロモーション 様々なプロモーション ターゲットの分け方 表現上の「仕込み」部分 固有名詞の「価値」を信用しない プロセス8 持続発展させるための戦略 基本的な考え方とよく起こりがちな問題とそれの防止策、対処方法
1965年 茨城県水戸市生まれ。(株)リクルートにて求人広告コピーライターとして活躍し、取材記者を経て海外旅行情報誌『ABROAD』編集部へ。海外取材と編集を担当。その後、福岡に異動。『じゃらん九州』の編集長として部数を拡大。ローカル地域の流通でありながら、全国誌を凌いで実売部数第1位(同社ムック部門)となるヒット本なども生み出した。 退社後、観光の魅力発展途上のまちを選び住み、地元の地域資源を観光コンテンツに昇華して、地元と訪れる人を幸せにする「魅力発掘プロデューサー」を志向。 2009年より佐賀観光協会(現(一社)佐賀市観光協会)に勤め、商店街活性化や、まち歩きツアー、郷土の歴史を物語化した『幕末・維新 佐賀の八賢人おもてなし隊』など、今も継続発展する歴史観光体験型コンテンツと観光振興の担い手を創出。歴史劇を数多く創作・上演し、住民が自らの地域の歴史を再認識し誇りを持てる気運(シビックプライド)を醸成した。 2013年から、専門管理職として千葉市役所に登用。観光プロモーション課長として、地域資源をブラッシュアップし様々な体験型観光プランを造成。創刊した体験型コンテンツ集『千葉あそび』は域外の人はもとより、「地元には目立った観光資源はない」と思っていた住民からも驚きをもって歓迎された。ムスリム(イスラム教徒)観光客に他市に先駆けていち早く着目し、海外向け観光施策として「ムスリムフレンドリー」を推進。同市のインバウンド観光の礎を築く。 現在、国内各地域の観光振興を本書のプロセスに沿ってトータルに実践するとともに、観光推進を担う魅力発掘プロデューサーを育成している。
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