中小企業を対象とする研究が中小企業研究である。日本における中小企業研究は、1930年代くらいから本格的に展開されており、約100年の歴史を有する。そして、中小企業に関心を持つ研究者たちの多くは、実際に存在する中小企業をめぐるさまざまな現象を描いてきた。 本書は日本における中小企業学会の中枢を担う数名の研究者による最新の研究成果である。本書に掲載された論文は中小企業の存立・経営・政策の「有機的展開」から織りなす中小企業研究の理論的・方法論的研究ならびに実証研究の果実である。
序 章 日本の中小企業研究の新地平 第1章 「中小企業存立論」再考:予備的考察 〜中小企業「規模拡大」支援策を踏まえて 第2章 国際的見地からみた「中小企業とは何か」とは何か 〜「大」との差異か、その異質性か 第3章 中小企業のCSRと新たな本質論 第4章 日本の分業システムと中小企業 〜サプライヤーシステム研究を中心に 第5章 中小企業におけるストーリーテリングの実践 第6章 企業成長のダイナミクスと社会関係資本 〜タビオのネットワークの分析を手掛かりに 第7章 事業承継企業の経営革新と自律化 〜第二創業によるビジネスモデルの変革に向けて 第8章 中小製造業における外国人活用 〜技能実習生の戦略的な受入プロセスに着目して 第9章 変化する社会に対応する中小企業のIT経営 第10章 オランダにおける小規模企業増加に学ぶ 〜起業増・起業文化醸成につながる社会連携 第11章 自治体における中小企業支援のトレンドと展望
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