そもそも”Ownership”
Posted by 著者ブログ | Posted in 訳者苦労話 | 投稿日: 2010年04月09日
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いよいよ本日『OQ オーナーシップ指数』が刊行されます。去年の7月から始まった翻訳プロジェクトですが、半年間の苦労話をちょっとだけご紹介します。
まず、なんといっても”Ownership”をどう訳出するかが議論になりました。書名になるような本書の鍵概念ですから、どう訳出するかは最も重要な作業です。「訳者まえがき」には、要約だけが書かれていますが、次のような議論がありました。
- アメリカの会社は、会社は株主のものと考えているので、アニュアルレポートには”your company”と書くため、「我が社」とはいわないらしい。だから”ownership”という言葉にインパクトがあるのかもね。
- だったら、日本の従業員は、もともと「我が社意識」が強いから「所有者意識」といっても、インパクトないんじゃないの。
- 確かに、日本の実務家からすると、従業員の「オーナー感」についてはあまり目新しい概念ではないかもわかりません。
- 「マイカンパニー」とか「マイブランド」みたいな感じで、「マイカンパニー指数」はどうだろう。
などなど。原題は”The Ownership Quotient”ですから、「指数(Quotient)」をひっつけると・・・
- 「我が社意識指数」
- 「愛社精神指数」
- 「おらが会社指数」
- 「当事者意識指数」
前作では直球で「所有者意識」が使われていたのですが、「満足」や「ロイヤルティ」の上をいく概念として「オーナーシップ」を普及させたいという気持ちもありましたので、本書では「オーナーシップ」をカタカナにして用いることにしました。
さて、みなさんはどのようにお感じでしょうか。
04月09日(OQの日) 川又啓子