皆さん、こんにちは。今回は、診断士試験を受ける際のモチベーション維持方法の1つ、アファメーションについてお話ししたいと思います。
ご存じの方も多いかと思いますが、アファメーションとは、肯定的な自己宣言のことです。「私は〜である」、「私は〜を達成している」などの自己宣言を行い、自らの潜在意識に訴えかけて、なりたい自分のセルフイメージをつくり上げるアファメーションは、モチベーションアップや目標管理において有効だと言われています。
フランスの心理療法家であるエミール・クーエはかつて、このアファメーションを用いて、多くの患者の病を治癒させました。自己暗示療法と呼ばれる手法で、患者たちに「日々、あらゆる面で、私はよくなり続けている」という肯定的な自己宣言を毎晩唱えさせた結果、彼らの心身さまざまな病気を治すことができたのです。
アファメーションの活用は、診断士受験におけるモチベーション管理においても有効です。私も受験生時代に実践してみましたが、ポイントは、無理やり意識に刷り込もうとするのではなく、リラックスして、無意識に働きかけることです。私の場合は就寝前、1日の出来事を振り返りながら、自らに対してアファメーションを行うようにしていました。「私は数ヵ月後に診断士受験に合格する」、「経営コンサルタントとして独立している」――そんな自己宣言を、自らの潜在意識に向けて行ったのです。本当に効果があるのか半信半疑な面もありましたが、あまり深くは考えず、前向きかつ肯定的なスタンスでなりたい自分をイメージし続けた結果、日々の生活や仕事の中でも常に診断士試験を意識するようになり、モチベーションを落とすことなく、学習に専念できる意識と環境づくりを自然に行えるようになりました。
潜在意識に問いかけることの重要性は、さまざまな研究でも実証されています。有名なところでは、ジョセフ・マーフィーやナポレオンヒルなど。いわゆる成功法則と呼ばれているもので、実際に多くの歴史上の成功者が、自らの成功イメージに対して強い思いを持ち、チャレンジし続けたと言われています。
もちろん、成功の定義は人によってさまざまですが、受験生にとっての成功とは、試験に合格することです。その合格をどれほど強く望むか――その度合いによって、行動も自ずと変わってくるのではないかと思います。
先日、とある経営者の方から、事業立ち上げの頃の経験談をお聞きする機会がありましたが、難局を乗り切る際にアファメーションを実践されたとお聞きしたときは、非常に驚きました。起業当初は、常に自分自身に問いかけ、前向きに事業に取り組んでこられたそうです。実際に成果を出されている経営者の方のお話をお聞きして、私は改めてアファメーションの意義を感じました。
経営には、リスクが付き物です。前述の経営者の方は、リスクを恐れずに前向きにチャレンジした結果、今の自分があるとおっしゃっていましたが、そんな経営者の方々にコンサルティングを提供する私たちは、彼ら以上に、より前向きで肯定的なコンサルティングマインドを持つ必要があるでしょう。
やり直しがきかないほどのリスクを負って勝負している経営者の方も多いと思います。それに比べ、診断士試験は、いくらでもやり直しが可能です。あまりネガティブに捉えず、前向きに、肯定的に、そして積極的にチャレンジすることをお勧めします。
ただし、やり直しがきくからといって、長期受験生になってしまわないよう、さっそくアファメーションを実践してみてはいかがでしょうか。「私は(今この瞬間から)、診断士である」のだと。